★牛肉輸入再開は慎重に対応 首相、香港向け骨混入で
米国の食肉処理工場から香港に輸出された牛肉に牛海綿状脳症(BSE)
感染防止のため禁止されている骨が混入していた問題について、小泉純一郎
首相は14日午前、「安全、安心確保のために、日本として、しっかりした
調査をしなければいけない」と述べ、輸入再開には慎重に対応する考えを示した。
官邸で記者団の質問に答えた。
米農務省が2月に提出した監査報告書の信頼性については「報告書をよく読んで、
担当者で協議しなければいけない」とし、再検討を示唆した。
中川昭一農相は「点が線になったわけだから、摩擦係数は大きい」と指摘。
日本向け牛肉に続き、香港向けでもBSE対策の輸入条件違反が起きた事態を重視し、
詳細な情報を米国に求めていることを明らかにした。
共同通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060314-00000126-kyodo-bus_all ドバイの会社による米国の港湾管理問題で露呈したのが米国民の国家安全
保障ヒステリー(プラス人種差別意識)だとすれば、BSE問題で露呈している
のは日本国民の食の安全保障ヒステリー(プラス対米オブセッション)で
す。
BSE問題では、日本側の言い分に理はありません。
なぜならば、
・グローバル・スタンダードをはるかに超える安全措置(全頭検査!)を自
国で実施している
・にもかかわらずそれ以下の措置を米国に求めるという妥協をした。それで
いて依然グローバル・スタンダードを超える措置をとることを米国が約束す
ることにこだわった
・ところが、これだけ食の安全保障(とりわけ牛肉に係る安全保障)を重視
していながら、それ以外の生活安全保障には余り関心がない。救急ヘリ一つ
とっても、ほとんど確保されていない。ちょっと次元は違うが、児童虐待対
策は微温的だし、家庭内暴力に至ってはまだほとんど放置されていると言っ
てよい(
http://www.guardian.co.uk/japan/story/0,,1727779,00.html。3
月11日アクセス)。
・とりわけ、国家安全保障に全くと言ってよいほど関心を持っていない
・総じて言えば、日本国民のリスク(回避)選好度に首尾一貫性が全くない
からです。(以上、家庭内暴力以外は典拠省略)
当然、米側は日本側の言い分には全く理がないと思っています。
だからこそ、日本との約束に反して、「単純ミスで」骨付き肉が混入した
形で牛肉を日本に輸出したり、三頭目のBSE牛が米国で確認されたというの
に、米農務省当局がむしろ米国でのBSE安全措置のレベルを下げる意向を平気
で表明したりするのです(
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/2006 0314k0000e030005000c.html。3月14日アクセス)。
日本国民が、食の安全に関し、独りよがりの主張は取り下げて、グローバ
ル・スタンダードを尊重しない限り、この日米間の軋轢は解消しないでしょ
う。
より深刻なのが、国家安全保障に関する日本国民の意識のグローバル・ス
タンダードからの乖離です。
http://www.ohtan.net/cgi-bin/bbs/ohta_bbs.cgi?page=0&list=