★鳥インフルエンザ、人類に蔓延なら金融システムに障害も―IMF
3月13日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)は13日発表した報告書で、
現在、鳥類に広がっている鳥インフルエンザが人類にもまん延すれば、世界や
国家の金融、貿易、銀行システムに一時的な障害を招きかねないと指摘した。
深刻な症状が出た従業員の欠勤率が高まれば、「支払いや清算、受け渡しといった
金融システムの重要な機能とサービス」に混乱が生じかねないと警告した。
衛生当局によると、人間には鳥インフルエンザのH5N1型ウイルスに対する
免疫がほとんどないため、大流行の脅威は高まっている。IMFは企業や国は、
大流行で労働者が自宅待機せざるを得ず、金融市場に急激な変化が及ぶ事態への
備えを整えるべきだと勧告。また、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行の際に
一部の国で見られたような資金需要の急増に対応するため銀行は余剰資金が必要になる
可能性もあるとした。
同報告書はIMFの鳥インフルエンザの作業部会がまとめた。報告書の共同執筆者、
G・A・マッケンジー氏は電話会議で記者団に対し、「銀行が資金やサービスの
需要の対応が難しくなるとの懸念が広がれば、資金需要は高まるだろう」と語った。
大流行への備えは、国や金融機関によってさまざまで、シンガポールや香港、
カナダなどSARSで打撃を受けた国や大手金融機関は態勢を整えていると説明した。
共同執筆者で作業部会メンバーのチャールズ・ブリッツァー氏によると、
大流行による労働者の欠勤で生産性は悪化するものの、大多数の国では影響は
比較的短期的なものにとどまり、「1四半期で急低下した後、次の四半期に回復する
可能性がある」と述べた。
Bloomberg
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003011&sid=aRaSg60MQiyw ・国際通貨基金 IMF
http://www.imf.org/ ○The Global Economic and Financial Impact of an Avian Flu Pandemic and the Role of the IMF
http://www.imf.org/external/pubs/ft/afp/2006/eng/022806.htm ●報告書(PDF:全30ページ)
http://www.imf.org/external/pubs/ft/afp/2006/eng/022806.pdf