【医療】帝王切開手術中に死亡、福島県の産婦人科医を起訴 福島地検[03/10]★2

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399名無しさん@6周年
子宮を安全に摘出するためには、子宮頸部(妊娠子宮では子宮の下方といえるかも)ぎりぎりで、子宮を基靭帯などの諸靭帯から切断します。
妊娠子宮では、骨盤と子宮との間にスペースがとっても狭いですから、この操作の難易度が高いのです。大雑把に操作すると、尿管を切ったり、子宮動静脈を損傷して悪循環 に陥ります。
よって、この子宮摘出操作を安全に行うためには、骨盤と子宮との間にスペースが有る方がいいのです。
このためには、子宮頸部が小さい(細い)ようになっていればいい ですから、「出血を抑えて尿管損傷を避けながら子宮を安全に摘出するためには、胎盤を除去しておけばいい」わけです。
したがって、この事件のその瞬間において、胎盤をまず除去してから子宮摘出をしよう、と考えるのは手術に長けた術者なら当然の選択です。 この操作が適切かどうかは症例ごとに異なると思いますが、可能性として選択肢にあります。
基本は「出血を抑え」「尿管損傷を避ける」ことを前提とした手術を目指すのは当然。そしてこのためには頸部と骨盤壁との間に如何にスペースを作るかという工夫が必要です。

結論として、「子宮摘出を安全にするために、まず胎盤摘出を試みた」というのは謝ったアプローチではなかった、つまり過失はなかったと考えます。

妊娠子宮の摘出経験者としては、あの溢れかえるような血の海の中で操作することの怖さは筆舌に尽くしがたいです。
... 出血が始まると骨盤内が血で満たされ、吸引操作が追いつかないし、出血点はなかなかわからない。あれよあれよという間に、10秒もあれば1000mlぐらいはすぐに出る。
しかも胎盤癒着だと出血は点ではなく、面からなので少々縫合しても焼け石に水。圧迫しても指の間から湧き出てくるので、やはり止血は無理。
機会があればビデオに撮って、一般の人や検察に見ておいてもらいたいぐらいです。