>>1の記事の続き
同事務局次長は議長総括について「今回の理事会では決議採択に至らなかった」と指摘、
理事会内の対立により、イランに対する新たな措置が合意できなかったとの認識を示した。
その上で、イランには今後「対話と協調」「対決」の二つの道があり、イランとしては
前者を望むものの、米国などの対応を見極めながら慎重に対応を検討する考えを示した。
一方、IAEAのエルバラダイ事務局長は終了後の会見でイランに対し「透明性確保と
信頼醸成措置の構築が必要」と述べ、イラン核開発の全容解明のためIAEAの査察への
一層の協力を求めるとともに、理事会が度重なる決議で求めたウラン濃縮作業の停止を
実施するよう要請した。
また同事務局長は、「安保理は紛争を平和裏に解決する場であることを忘れてはならない」
と述べ、問題の過熱化にくぎを刺す一方、外交交渉による解決を図るため、欧州連合(EU)や
ロシアだけでなく、米国もイランとの交渉に参加すべきだとの考えを示した。
IAEA理事会では、欧米諸国やカナダ、豪州などが早期の安保理審議入りを要求する一方、
中露両国は外交交渉による解決の余地があると強調し、欧米諸国との温度差を改めて印象づけた。
明確に安保理審議に反対を唱えたのはキューバのみだった。
最も強硬な米国は、ウラン濃縮作業を認めれば「イランが(核兵器用の)高濃縮ウランの
製造技術を取得する」と指摘した上で「安保理審議の時期が来た」と早期の審議入りを求めた。
英国も同様の表現で早期審議を求めた。
以上