太田市新田市野井の旧三峰病院(廃院)の診療報酬不正受給で二十八日、
元理事長兼院長の越塚峰嗣容疑者(52)ら二人が詐欺容疑で逮捕された。
県の調査で、不正受給額は一九九五年四月−九九年十二月で約四億
八千万円に上るが、八割に当たる約三億八千万円については、詐欺罪の
時効(七年)が成立している。
県は二〇〇〇年十二月、不正受給総額を確認したが、病院側が全額
返還の意向を示したため告発を保留。しかし、返還は〇一−〇三年に
計約二千万円(加算金を含め返還総額の約3・5%)しかなく、県などが
〇三年八月、告発に踏み切った。この時点で一部は時効が成立していた。
県警は「告発者と被害者(県国民健康保険団体連合会)が異なり、
被害額算定や(水増しされた)医師数の確認などに手間取った」と、立件
までに時間がかかった理由を説明。時効が未成立の診療報酬約一億円
(不正分は数千万円)について、余罪を調べる方針。
病院関係者によると、越塚容疑者は旧三峰病院開設者で、整形外科を
担当。逮捕前日の二十七日まで、廃院後に開いた診療所で勤務していた。
同容疑者とともに逮捕された元経営部課長土谷隆夫容疑者(46)は十八
年前に採用され、経理を担当。診療所開設後も五カ月ほど勤務していた
という。両容疑者とも勤務態度は極めて実直だったといい、越塚容疑者は
県警の家宅捜索を受けた際も、寝耳に水といった様子だったという。関係者は
「金の話は何の相談も受けていない。事件が事実かどうかも分からず、
驚いている」と困惑した様子だった。
ソース(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/gnm/20060301/lcl_____gnm_____001.shtml