★県警捜査費の一部違法 12―16年度特別監査報告
県警捜査費の特別監査を行っていた県監査委員は22日、橋本大二郎知事と県議会
2月定例会に監査結果の報告書を提出、捜査費支出の一部を「違法・不当である」と
断定した。公の機関が捜査費支出の違法を断定したのは本県では初めて。報告書は
監査対象の34・9%に当たる1791万円余りを(1)支出の実体がない(2)不適正支出
(3)支出に疑念―とし、(1)(2)を違法・不当と断じた。その上で、「県民の信頼を裏切る
もので極めて遺憾」と県警を厳しく批判。県公安委員会に県警の内部調査と県民への
説明責任を強く求めた。
報告書は、捜査員が聞き取り調査に対し「上司から(虚偽の)領収書の作成を命じられ、
電話帳で適当に名前を拾った」「私的な飲食を捜査協力者への接待に装った」などと
証言した“内部告発”を具体的に列挙した。これらの証言と県警が開示した文書を照合し、
矛盾点や不自然な支出状況を暴き出して「違法・不当」を明らかにする構成になっている。
特別監査したのは、12―16年度に県警本部と高知署が執行したとする県費捜査費1万
3789件、5141万円。報告書はうち85件・77万円(1・5%)を「支出の実体がない」、
115件・69万円(1・3%)を「不適正な支出」とし、いずれも「違法・不当」と断定。3178件・
1645万円(32%)は「不自然な支出で疑念がある」とした。
一方で、捜査員らが謝礼金を渡したとする「捜査協力者」への確認調査は県警側が応じず
実現しなかったほか、執行件数の46%に領収書がなく、県警が協力者情報などの全面開示
を拒否したため、「不透明さを残した」とも強調。「報告書で指摘しなかった支出も、必ずしも
適正な執行が立証されたものではない」と付け加えた。
高知新聞 2006年02月22日夕刊 ※全文は元記事でご確認ください
http://www.kochinews.co.jp/0602/060222evening01.htm