「マンガ嫌韓流2」を読む。
「マンガ嫌韓流2」を読んで一番嬉しかったのは、主人公の沖鮎要君だけでなく、登場人物全員が成長を
していたことだ。内面的な成長だけでなく、車輪さんの腕も確実に成長した。絵が温かく、細やかになった。
と、同時に、日本へ帰化した元在日の金田君が、サイレントマジョリティーとしての在日を代弁するような、
ふくらみのある構成にすることも成功した。つまり、マンガ全体が、明らかに前作を上回るものに成長した
のだ。恐らく、皮肉なことに、前作発行後の韓国と日本のメディアの異常な反応が、より「マンガ嫌韓流2」
に厚みを加えさせたのだ。
それが顕著に出たのが、第8話「歴史を捏造する韓国」の内容だ。彼らが韓国へ乗り込んでディベート大会
を行うのだが、あの場面こそ、作者の山野車輪さんと編集者Tさんの最も訴えたい想いが表出していたので
はないかと思う。つまり、多くの事なかれ日本人に対して、謂れのない韓国の反日的な言い掛かりに、もう黙
るのは止めようよと強く促しているのだ。何度かここにも書いているが、歴史認識の問題は、事実を突きつけ、
そこで真正面から向き合わなければ、何も始まらないということだ。
悪役だった在日の松本君が徐々に日本悪玉史観の洗脳が解けていく様子は微笑ましかった。
日韓友情年という冗談のような昨年を、「マンガ嫌韓流2」が有意義だったと締めくくるエピローグが、日韓関係
の現在と北東アジアの遠い夜明けを透視している。
http://nishimura-voice.seesaa.net/article/13590544.html (酔夢ing Voice 西村幸祐)