トリノ五輪でメダルの期待がかかる女子フィギュアスケートの安藤美姫
(18)=中京大中京高=がトリノ市内で初練習を行った。
この日の練習はある想定外が引き起こした緊急処置。安藤といえば
4回転ジャンプだが、本番では「たとえ、失敗しても必ずいれる」と公言
しているほど。メダルへの道は、4回転の成功なしでは語れないのは
誰もがわかっていることだろう。
13日、トリノ入りした安藤は標高1200メートルにある車で2時間ほど
のクールマイヨールで最終調整を行っていた。ここではジャンプのキレも
よく、高さも最高だった。しかし、この仕上がりの良さにあわてたのが日本
スケート連盟のスタッフ。その理由は標高の高さにある。標高が高ければ
空気が薄く、通常より体も軽くなりジャンプも高く飛べる。
日本代表の城田憲子監督も、「トリノ市内に入ったら、選手も自分のキレ
の悪さに驚くと思う。それだけ、クールマイヨールの標高が高い証明」と
解説していた。安藤の調子のよさは「標高差」にあったというわけだ。
それだけに、絶好調だと“錯覚”しないために、予定より早くトリノ市内での
緊急練習になったのだった。
当初、この日の練習は午前中だけの予定だったが、同日夜も練習場に
登場。「絶対に成功させたい」という4回転ジャンプに3度トライ。結果は
一度転倒して2度は回転数が足りない失敗ジャンプ。恐れていた『標高差』
という落とし穴に完全にはまってしまった。
また、日本の女子フィギュア勢は1人部屋が2つしかない。当然、年功
序列で先輩の村主章枝と荒川静香が使用。安藤はアイスダンスの渡辺心
(のぞみ)と共同生活を余儀なくされる。
日本連盟では安藤を試合直前まで、トリノ市内ではなく、一人部屋の
クールマイヨールで練習させるつもりでいた。これまた想定外で、VIP待遇
も剥奪(はくだつ)されたミキティ。正念場がいよいよ到来だ。
ソース(ZAKZAK)
http://www.zakzak.co.jp/spo/2006_02/s2006021805.html 写真(想定外のイタズラに急遽、練習を敢行した安藤。新コスチュームに
身を包み、なにやら神妙な表情)
http://www.zakzak.co.jp/spo/2006_02/image/s2006021805miki.jpg