病気やけがで損なわれた臓器などの働きを修復する高度な医療技術、再生医療がペットでも
可能になるかもしれない――。大阪府立大学を中心とする研究チームは、再生医療の実現に
重要とされる特殊な細胞をイヌで作ることに成功した。
作製したのは胚(はい)性幹細胞(ES細胞)という細胞。これまで人間や実験動物のマウス、
家畜のウシなどで作製されているが、ペットとして身近なイヌでは初めてという。
大阪府立大の稲葉俊夫教授や滋賀医科大学、田辺製薬の共同研究成果。
ビーグル犬から採取した28個の受精卵をもとに19個のES細胞を作製。神経や心臓の筋肉
(心筋)など5種類の細胞に成長することも確認した。
イヌの再生医療につなげるにはまだ研究開発が必要だが、心臓病や糖尿病などの治療のほか、
交通事故による脊髄(せきずい)損傷で動かなくなった体を治せるようになる可能性がある。
研究成果は東京都内で16日から開く大阪府立大の新技術説明会で発表する。
引用元:日経新聞 2006/02/15
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060215AT3K1500815022006.html