2年後の2008年に北京五輪を開催する中国。五輪に対する国民の
関心を高めるためには、冬のトリノ大会でも好成績を収めることが重要だ。
過去最多153人の選手団を送り込みメダル増産を目指す。
前回五輪では、スピードスケート・ショートトラック女子で楊揚が金メダル
2個を獲得。国民の目が冬季にも向き始めた。今冬以降、スピードスケート
を題材にした映画が製作され、テレビ番組に有力選手がそろって出演する。
今大会、国営通信の新華社が金メダルの最有力候補に挙げるのは、
フリースタイルスキー・女子エアリアルだ。昨年12月に中国東北部の
吉林省長春でのW杯で中国勢は2戦続けて金、銀を獲得。4人全員が
違う選手で、2人は五輪代表に入っていない。層の厚さがうかがえる。
全員が遼寧省瀋陽のスキークラブに所属。23歳の李●娜は今季W杯
で3勝を挙げ、種目別首位に立っている。(※●=女へんに尼)
スピードスケート女子五百メートルの王曼利は優勝候補の筆頭。
フィギュア・ペアもメダル候補だ。中国選手団の劉鵬団長は「若い選手が
彼女から学び、いい成績を収めてほしい」と期待する。
アテネ五輪で、中国は32個の金メダルを獲得。メダル獲得競争で米国
(35個)に次ぐ2位に浮上した。同大会では、金メダルの報奨金をシドニー
五輪の4倍の20万元(約260万円)にアップ。メダル有望種目に特化して
強化を進める作戦は冬季でも変わらない。
今大会、初めて4人のジャンプ選手を五輪に出場させる。2年前、
オーストリアからハインツ・コッホ・コーチを招聘(しょうへい)。2010年
バンクーバー五輪に照準を合わせて強化を進めている。コッホ・コーチ
が期待を寄せる田占東は、年末年始にドイツ、オーストリアで開催される
伝統のジャンプ週間に参戦。最高位は74位。だが、「田と李洋は今後
4年間で世界のトップ10に入るだけに潜在能力を秘めている」とコッホ・
コーチはみる。欧州勢に先を越された日の丸飛行隊の背後には、中国
の影が近づいている。
ソース(産経新聞)
http://www.sankei.co.jp/news/060212/spo038.htm