★作業“体感”大きく育てて 三次のハウスで栽培 仮想イチゴ農園人気
ネットで指示、実物を宅配
家庭などからインターネットを通じて、三次市の農園でイチゴを育てる「バーチャル農園」が人気を
集めている。バーチャル(仮想)とはいえ、イチゴは“本物”。実ったものは“栽培者”に届けられ、実際
に食べられる全国でも珍しい取り組み。農業離れが深刻化する中、関係者らは「農業の楽しさを知る
きっかけになれば」と期待を寄せている。
企画したのは、三次市の「平田観光農園」と、広島市のホームページ制作会社「パラガン」。2003
〜04年のシーズンに始め、今期で3年目を迎えた。
希望者は特設ページから申し込み、イチゴ苗の「オーナー」になると、農園のビニールハウス内で
育てる鉢を指定される。品種は女峰で、オーナーはネットを通じて、農園のアドバイスを受けながら
肥料やりや花摘みなどの作業を指示。農園のスタッフが作業を代行し、成長の様子は1週間ごとに
写真で確かめられる。約1か月で収穫期を迎え、イチゴは宅配便でオーナー宅に届く。一つの苗から
15粒前後が実る。
オーナーからの指示がなくても、スタッフが責任を持ってイチゴを栽培するが、同農園は「細かい
指示があった方が大きなイチゴができやすい」という。
送料込みで一鉢3500円と、市販のものより高めだが、作業を「体感」できる楽しさから1、2年目
とも約40人が参加。今年はブログも導入し、オーナーたちが自慢のイチゴの育ち具合を見せあったり、
アドバイスをしあったりすることができるようにした。また、一番うまく育てた人に農園から賞品が贈られる。
農業を主な収入源とする県内の従事者は、10人中7人が65歳以上。バーチャル農園の体験者からは
「親子で一緒に楽しめた」「バーチャルでも自分が育てたという実感がわいた」との感想が寄せられたと
いい、同農園代表の平田克明さん(66)は「実際に農業に触れてもらいたいが、なかなか難しい。
『マイ・ストロベリー』を楽しく育てて、将来、農業を志す人が少しでも増えれば」と話す。
(後略)
(2006年2月12日 読売新聞)
ソース:
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news001.htm