10日付の米紙ワシントン・ポストによると、元米中央情報局(CIA)当局者
のポール・ピラー氏が近く外交問題誌に掲載される論文の中で、ブッシュ
米政権が既に決断していたイラク攻撃を正当化するため、米情報機関の
都合の良い情報を利用したと批判していることが分かった。同様の指摘は
野党民主党を中心に繰り返されているが、元CIA当局者の批判は異例。
論文は米外交誌フォーリン・アフェアーズが掲載。ピラー氏は00〜05年
に情報分析担当官(中東・南アジア)を務め、イラク情報の分析にも関与した。
同氏は論文で、イラクの旧フセイン政権と国際テロ組織アルカイダとの
つながりなどイラク攻撃を正当化できるような証拠を探すよう、ブッシュ
政権から繰り返し要請があったと指摘。このような要請が情報機関の
分析に政治色を加えることになったとし、間違った分析に拍車を掛けた
ことを示唆した。
ブッシュ政権から戦後のイラク情勢に関する展望予測を要請されたのも
イラク攻撃から1年も過ぎた後だったと指摘、ブッシュ政権が戦後の混乱
への対応で後手に回ったことを裏付けている。
ソース(nikkansports)
http://www.nikkansports.com/ns/general/f-so-tp0-060210-0023.html