★水俣病懇時間ない 委員は国の“本気度”疑う
水俣病問題を包括的に検証するとして、環境省が設置した有識者会議「水俣病問題に係る
懇談会」(座長・有馬朗人元文相、委員10人)が混迷の度を深めている。昨年5月から
始まった会合は7日で8回目。水俣病公式確認から50年の節目となる5月に向け、まとめの
議論に入った。しかし委員からは「全く時間が足りない」など検証の成果を悲観する声が続出。
有馬座長が「いったい何のための懇談会なのか」と環境省の“本気度”を問う場面さえあった。
■会合月1回、5月に提言 本質論議深まらず
「おそらく、このままでは(懇談会は)何もできずに(提言内容は)『なんだ』ということになる」―。
ノンフィクション作家の柳田邦男さんが口火を切った。
西日本新聞
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亀山継夫(元最高裁判事)金平輝子(元東京都副知事)加藤たけ子(熊本県水俣市の胎児性
患者授産施設長)の各委員も「このままでは時間切れ」「意味ある提言は難しい」などと訴えた。
国と熊本県の責任を認めた水俣病関西訴訟の最高裁判決を受け、小池百合子環境相が設置した
私的懇談会。それは、節目の年に「行政の責任や失敗の本質を検証する」(小池氏)狙いがあった。
ただ、会合は月1度で1回2時間。水俣病問題に必ずしも詳しくない在京委員もおり、
現地視察も盛り込んだ。その結果、複雑で広範な議論は深まりを見せないまま、この日で
「会合は残り2回」となった。
水俣病を取り巻く状況も変化した。認定申請者は3000人を超え、認定審査会は機能停止。
新たな国家賠償請求訴訟まで起きた。一刻も早い被害救済を求める人たちにどう対応するか―。
現実的な課題を避け、学術的な「歴史の教訓」だけを提言するわけにはいかなくなっている。
ところが、環境省の抜本的救済策を模索する動きは鈍い。「今の三千何百人全員を救済する
ぐらいの解決策を示さなければ、この懇談会で何を言ってもインパクトはない」と亀山委員。
迫る「時間切れ」に加えて、環境省への疑念が委員の間でもわだかまっている。
有馬座長は同省幹部に向き直ってこう言った。「救済策や防止策を提案すれば、きちっと
受け止めてもらえるのか」
同省の炭谷茂・事務次官は「会合は最重要視している。改善すべきところは改善する」と
述べたが、ぎくしゃくした雰囲気は最後まで晴れなかった3月2日に予定する次回会合は
時間延長を検討するという。
以上