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>>1つづき)
≪手口編みだし伝授…カルト教祖のように暴走≫
ひたすら住宅地でドアをノックし続ける「アポインター」や強引に契約を結ぶ「クローザー」など
細分化された役割分担。「地震がきたらつぶれる」とうそをついて契約を強いる営業手法。1日
逮捕されたエム・エイチ・エス社長の小川隆司(おがわ・たかし)容疑者(38)が編みだし伝授
した手口だった。
契約数に応じて数百万円の高額な歩合を与える給与システムを背景に、競争意識を駆り立
てられた若手営業マンに「お年寄りを狙え」と指示。
元男性社員は「営業をゲームのように考え、すぐ勝ち負けに結び付ける。そこには社会的な
常識や倫理観はかけらもなかった」と振り返る。
1年を4半期ごとの「場所」に分け、契約数を競わせた。成績上位者には海外旅行や高級
ホテルの宿泊券、ベンツの中古車のプレゼントも。悪質リフォームに手を染めてから、売上額
は毎年20億―30億円に達した。
株式上場を目指し東京・銀座で美容室やレストランの多角経営にも乗り出したが、うまくいか
ずに失敗。「成功したのは悪質リフォームだけ」と話す関係者もいる。
社内ではカリスマ的雰囲気を漂わせ、直接会話できるのは一握りの幹部だけ。元幹部の男性
は「疑問を言わせない体制。カルト宗教の教祖のように若手社員を惑わせていった」と証言して
いる。(共同)