少子高齢化時代、街中の公園の風景が変わってきた。滑り台、ジャングル
ジムなどの子ども向け遊具に加え、お年寄りが体を動かすための「介護予防
遊具」の設置が進む。子どもの姿が少なくなる中、高齢者仕様の公園に、
自治体や企業の関心が高まっている。
千代田区は、二〇〇四年十二月に西神田公園(西神田二)、昨年十一月
には東郷元帥記念公園(三番町)に、それぞれ介護予防遊具を設置した。
東郷元帥記念公園にあるのは「わき腹のばし」「背のばしベンチ」
「ふみ台わたり」など九種類。無理せず、普段使わない筋肉を動かしたり、
腰痛や肩こりを軽くする効果などがあるといい、子どもや一般の成人も
十分に利用できる。
導入に当たって区が派遣した指導員に教わり、一通り試していた近所
の女性(77)は「背筋が伸びて、とっても気持ちいい。通おうかしら」。
近くに住むひ孫を迎えに来た東久留米市の男性(87)は、手すりに
つかまりながら回転いすで上体をひねる「おなかひねり」が気に入った
様子で、「年寄りこそ運動しないと。うちの近くにもほしい」と楽しげだった。
これまでに千代田区には、全国の自治体や議員など約四十件の視察
があったといい、区高齢者福祉課は「お年寄りは公園に来ても、ベンチに
座っているしかなかった。介護予防に加え、世代間の交流にもつながれば」
と期待する。こうした高齢者向けの遊具は、荒川区や葛飾、江東区内の
都営住宅などでも導入されている。
遊具メーカーも、高齢者市場に熱視線を送る。「自治体や病院から毎日
のように資料請求がある」と明かすのは、高齢者・身体障害者用の遊具を、
大久保洋子・成蹊大教授(老年学)と共同開発した「キートス」(千葉県
浦安市)の担当者。「市場はまだ様子見の段階だが、関心は高いのでは」
と話す。
ソース(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20060126/lcl_____tko_____003.shtml 写真(背中や胸を伸ばす「ぶらさがり」を試すお年寄り=千代田区の東郷元帥記念公園で)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20060126/20060126tko.jpg