「不快感を与えただけで犯罪に」--米国新ネット関連法の危うさ
これからは、インターネットを使って誰かに不快感を与えただけで犯罪になる。
これは冗談ではない。Bush大統領は米国時間5日、自分の身元を明かさずに
不快な書き込みをインターネット上で行ったり、迷惑な電子メールを送信したり
することを禁止する法令に署名した。
つまり、メーリングリストやブログで誰かとケンカするなら、本名を名乗った上で
やりなさいということだ。全面禁止にしなかっただけでも議会に感謝するべきなのだろう。
Usenetの大半の投稿を犯罪にしてしまう可能性が高いこのばかげた法令は、
「Violence Against Women and Department of Justice Reauthorization Act」と
呼ばれる法律に盛り込まれている。この法律に触れると、厳しい罰金と2年未満
の懲役に処せられる可能性がある。
「一番大きな問題は不快という言葉の使い方だ。不快と感じるかどうかは人に
よって異なるからだ」とAmerican Civil Liberties Unionの法律顧問Marv Johnson
は言う。
この新しい法律には、第113項「ネット上でのストーキング行為の禁止」という無味
乾燥な名前の条項が埋もれている。この条項は、電話によるいやがらせを禁止する
既存の法律に手を加えたもので、「自分の身元を証さずに、相手に不快感を与える
ことが目的で」インターネットを利用することを禁止するというものだ。
この条項を盛り込むことを画策したのはペンシルベニア州選出の上院議員Arlen
Specterと同条項の賛同者たちだ。彼らは、司法省に予算をつけるために通過させる
必要がある他の無関係な法案にこの条項を忍び込ませることで、議会が反対する
ことを政治的に不可能にしたのである。
この計画は功を奏した。同法案は下院を発声採決で通過し、12月16日には上院に
おいて全会一致で可決された。
続きは
>>2以降