インドでラジオ局が広告媒体として注目を集めている。政府は規制緩和
の一環として近く、新規の民間ラジオ局の開設を認可する予定だが、新聞、
テレビのほか、海外のメディア関連企業などから申請が殺到している。
世界的に広告の減少が続くラジオだが、インドではリスナーが多く、人気は
当分衰えそうにない。
インド政府は1999年からラジオ放送の民間参入を認可し、少しずつ
対象都市を拡大している。月内には、新たに全国91都市・338局の開設
を認可する予定だ。
今回の新規参入募集ではインド全国から200近い企業がラジオ局開設
を申し込み、政府は技術的にラジオ局運営が可能な70社への絞り込み
作業を続けているという。
ブルームバーグによれば、現在ラジオ事業への進出を希望しているのは
全国紙ヒンダスタン・タイムズなどを発行するHTメディアや、大手テレビ局
TVトゥデー・ネットワークなど。
また現地の有力企業だけではなく、英国のBBC放送のほか、メディア王
ルパート・マードック氏が率いるスターTVも、現地子会社を通じ、インドの
FMラジオ局との提携を希望していることを表明した。さらに英ヴァージン・
ラジオ、ドイツのラジオ局も、現地ラジオ局への出資を通じ市場参加を検討
しているという。
その背景にあるのが、インドのラジオ広告市場の拡大だ。11億に近い
人口を持つインドの全世帯の3割がラジオを保有する一方、農村など
地方経済の拡大を受け、ラジオによる広告宣伝が注目を集めている。
ラジオ広告市場は年率30%のペースで拡大。現在の4000万ドル
(約47億円)から2008年には1億5000万ドル(約175億円)規模に
膨らむとみられている。
インドのラジオ業界は戦後、国営企業が一手に放送権を握ってきた。
放送網はすでに全人口の99%をカバー。地方人口の所得増加に伴い、
受信機の普及にも弾みがつくとみられている。
ソース(FujiSankei Business-i)
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200601040001a.nwc