国内有数の小豆産地・十勝管内で、帯広市などが出資する財団法人
「十勝圏振興機構」の食品加工技術センター(帯広)、地元製餡(あん)
業者など四者が、これまで捨てるだけだった小豆の煮汁を原料にした、
あずき色の天然着色料の開発に取り組んでいる。試作品も完成し、
二○○六年中の実用化を目指して効率的な製造法を研究中。「安全で
体にいい」天然由来の着色料は、消費低迷に悩む製餡業界の新商品と
して期待されている。
小豆の煮汁は現在、浄化処理して廃棄しているが、煮汁には小豆の
表皮から出る色素成分ポリフェノールが豊富に含まれている。この成分
には老化を抑えるとされる抗酸化作用があり、小豆アイスクリームなど
の食品に添加する着色料としての開発を目指し、センターが関係企業に
呼び掛けて○一年に抽出実験に着手した。
煮汁には色素成分のほか不要なでんぷんが多く含まれており、実験
ではまず、凝集剤ででんぷんを集めて除去。水に溶けたポリフェノール
の抽出は試行錯誤の末、価格の安い特殊フィルターを使う方式にたどり
着いた。
現在、小豆アイスは生あんを加えているが、色を出すために加えすぎると、
でんぷんによってアイス自体の品質が変わってしまうのが難点だった。
しかしこの着色料を使えば、品質を保ったまま色を自在に調整できる。
赤飯、かまぼこなどでの利用も視野に入れている。
ポリフェノール抽出方法に関する製法特許も申請中で、今後は、
でんぷんのより効率的な除去法を調べる。
センター研究開発課の大庭潔課長は「実用化されれば、国内初の
あずき色の天然着色料。安全性をPRし、新市場の開拓につなげたい」
と話している。
ソース(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20051229&j=0044&k=200512293990 写真(あずき色の天然着色料の試作品。アイスクリームなどへの利用が期待される)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Photo/20051229.200512293990.jpg