【社会】 「プロジェクトX」終了…NHKの人気番組
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>486・・これでよい?
プロジェクト×〜挑戦者たち
木村建設の挑戦。奇跡の廉価マンション。
ナレーション : 田口トモロヲ
そのとき、篠塚は意外な事を言った。
「鉄筋を減らしてみたらどうだろう。」
姉歯は戸惑った。
鉄筋造りを人体に例えると、コンクリートは肉、鉄筋は骨にあたる。
篠塚はそれを減らそうと言うのだった。
「無理です!出来ません!」と姉歯は言った。
篠塚は思わず叫んだ。
「俺たちがやらずに誰がやるんだ!俺たちの手で造り上げるんだ!」
その男の熱い思いに、姉歯は心をうたれた。
そして、技術者の血が騒いだ。
「やらせてください!」と、いわずにはいられないのだった。
すぐに、夜を徹しての設計作業が始まった。
しかし、どうしてもできない。これ以上鉄筋の量を減らしたら建築基準法に
抵触し、巨大地震が来なくても倒壊の恐れがあった。
姉歯は、篠塚に嘆願した。
「これ以上は無理です!私にはできません・・・」
その時、篠塚がポツリとつぶやいた。
「他の事務所にまわしても良いんだよ・・・」
姉歯は、愕然とした。姉歯設計事務所の実に9割の仕事は木村建設から請け負っている。
その仕事が無くなったら、事務所が破綻してしまう。その時、生活は・・家族は・・
一体どうなると言うのだ。・・・
悄然としていたある日、姉歯は耐震強度の計算式の係数を変える事で数値が魔法の様に
変わる事に気が付いた。
姉歯の目から、鱗が落ちた。
「私が間違っていました。やります!必ず設計して見せます!」
この時から、一級建築士によるマンション住民の命をかけた挑戦が始まった。」