沈没船 「ニール号」 見つけた
フランスで撮影されたニール号
1874年(明治7年)に南伊豆町吉田浜沖で座礁、沈没したとされるフランスの貨物船「ニール号」(1734トン)の正確な沈没地点が判明したとして、
県教委は、この地点を埋蔵文化財包蔵地として登録した。
県教委埋蔵文化財包蔵地に
県教委によると、ニール号はフランス船籍の鋼鉄製の貨物船で、1873年にウィーンで開かれた万国博覧会に出展された日本の文化財や、関係者が
フランスなどで買い付けた美術品を積んで帰国する途中の1874年3月20日夜半、南伊豆町吉田浜沖で暴風雨のため座礁、沈没。
90人の乗組員のうち、救助されたのは4人だった。192個の美術品のうち68個は政府が引き揚げた。その後、正確な沈没地点は明らかになっていなかった。
南伊豆町沖で発見されたニール号の船体の一部水深36メートル
今年8月、跡見学園女子大人文学部の荒木伸介教授(博物館学、考古学)を団長とする調査団が、音波探知機やダイバーによる潜水調査を行ったところ、
同町吉田浜沖600〜800メートルの水深約36メートルの海底に船体の一部らしいものを確認した。この周辺で金属製の船舶が沈没したという記録はないことから、
ニール号の一部ではないかとしている。
同地点は文化財保護法の対象になり、発掘調査などを行う場合には県教委への届け出が必要となる。
県教委によると、今のところ調査や、引き揚げなどを行う予定はないという。
(2005年12月28日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news001.htm