12月12日、政府は米国産牛肉の輸入再開を正式決定した。第1便は12月
18日に到着する。
2003年12月末に米国でBSE(牛海綿状脳症)が発生。以来、約2年間
続いた輸入停止措置が解除になった。業界関係者にとってはうれしい
出来事のはず。ところが、素直には喜べない。
米食肉加工最大手タイソン・フーズ社の俵隆通・日本支社長はこう心境
を語る。「ある世論調査で75%の人が『米国産牛肉を食べたくない』と不安
を煽っていたが、現実は『食べたい』25%の人の分さえ確保できるかどうか、
全く先が見通せない」。
政治的決着はついても、ビジネスは別――。業界関係者の懸念材料は、
米国産牛肉の価格高騰などによる“輸入制限”にある。
まず、日本の輸入条件が厳しいため、対応できる米国業者が限られる
問題がある。米国で流通しているのは、生後30カ月以下で、病原菌が
蓄積する脳や脊髄など特定危険部位を取り除いた牛肉。これに対して
日本は米国に輸入の条件として、生後20カ月以下で特定危険部位を
除去することを提示した。米国はこれを受け入れたものの、20カ月以下
を証明できる体制を整えているのは、一部の生産業者だけ。このため
「日本向けに輸出できるのは、現段階では生産量全体の1割程度だろう」
(米国食肉輸出連合会の原田晋ディレクター)。
また冬は米国でも牛肉の量が最も少ない時期に当たる。感謝祭や
クリスマスなどの行事で鶏肉の需要が伸び、牛肉の消費量が落ちるので
生産しないためだ。加えて米国の好景気で外食産業が好調、牛肉の国内
相場が値上がりしている。普段は100ポンド(約45kg)が60〜70ドルぐらい
だが、今は100ドル近くなっている。
しかも、日本が求める部位はバラ肉やカタ肉、内臓で約8割を占める。
米国の業者にとって、履歴の把握に手間をかけたにもかかわらず、売れ
残る部位を米国内で高く売ることはできない。このため、米国は部位ごと
の購入を拒否している。これは日本の輸入業者にとって悩みの種だ。
(以下略、全文はソース元でご確認ください)
ソース(日経BP)
http://nikkeibp.jp/wcs/show/leaf/CID/onair/jp/flash_rss/418049