北上川
歯と健康
先日、盛岡市の岩手教育会館で開かれた県歯科保健大会に足を運んだ。会場には歯の健康をテーマにした
ポスターや写真の優秀作が展示され、「イー歯トーブ8020」コンクールの表彰式では最優秀賞に輝いた釜石市の
90歳の男性が登壇。今も32本の歯が自前という男性のがっしりとした体格、危なげのない足運びを見て、「歯は
健康の窓口」を実感させられた。
盛岡の住民になって2か月。支局にほど近い歯科医院に通っている。夏ごろから奥歯に違和感があったのだが、
忙しさを言い訳に放置してきた。思った以上に悪かったようで、歯周病と診断され抜歯を余儀なくされた。以来、
不思議と体調も良くなった。「歯周病の怖いところは、歯を支える骨まで壊すだけでなく、菌を日常飲み込むことで
他の疾患にもつながることなんですよ」と説明されたせいかもしれない。
県歯科医師会の箱崎守男会長によると、本県には重度の歯周病患者が多く、失う歯の数は全国平均より3、
4本も多いという。定期健診の受診者も少ないため、県歯科医師会は手軽に行える唾液(だえき)検査方法を
全国に先駆けて開発、早期発見、早期治療を呼びかけている。
歯科医院では、「ブラッシングに力が入りすぎです」とも指摘された。一生懸命磨いているつもりでも効果は逆。
「力まず軽やかに」は他のことにも通じる気がする。
(増川博之)
(2005年12月11日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news010.htm