栃木の空から熱気球で太平洋横断へ再チャレンジ−。熱気球冒険家
の埼玉県川島町鳥羽井、同町職員神田道夫さん(56)が二〇〇七年
一月以降、気象条件のよい日を選び、栃木市の永野川緑地公園を
熱気球で出発して太平洋を越え、北米大陸を目指す。昨年一月下旬の
無念の失敗を教訓に、再び世界記録更新を狙う。十七日午前八時ごろ
から、同公園で負荷実験などを行う予定だ。
神田さんは、日本熱気球飛行技術研究会会長。一九九七年二月、
中重量級熱気球でカナダから米国を目指し、五十時間三十八分の滞空
時間世界記録を達成した。二〇〇一年には植村直己冒険賞を受けている。
神田さんによると、出発時期は〇七年一月上旬から二月下旬の間の
気象条件のよい日。栃木市の永野川緑地公園から浮上し、高度七千−
八千メートルでジェット気流に乗り、北米大陸を目指す。飛行距離は
八千−九千キロ。六十時間前後のフライトで、カナダか米国に到達する
見通し。これまでの飛行距離の世界記録は、九一年一月、宮崎県から
カナダまで飛んだ英国人チームの七千六百七十二キロで、神田さんが
成功すれば自身の滞空時間記録と併せ両記録を塗り替えることになる。
前回に続き、栃木市をフライトの地に選んだ理由について、神田さんは
「空港や自衛隊基地の領域を侵す心配がなく、地理的条件がよいこと」
を挙げる。「目標や夢を持ちチャレンジすることの大切さや、勇気を感じて
いただきたい。国内外の航空スポーツの振興と発展に寄与し、日本と北米間
の親善交流の一端を担いたい」とも。
フライト中、偏西風の微粒子の採取や太平洋上の環境データ観測も
行う計画だ。
熱気球の名前は「スターライト号」。前回、太平洋上に不時着した際、
救助してくれた船名にあやかって命名したという。全高五十メートル、
直径四十五メートル。前回の機体の約二・五倍の大きさで、個人の
熱気球では世界最大級という。神田さんとクルー一人が乗り込む予定。
十七日の実験は天候不良の場合は翌日に順延される。
ソース(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20051216/lcl_____tcg_____000.shtml