最新の自動車盗難防止装置「イモビライザー」を装備していたことなどを理由に、車の盗難保険金を支払わないのは
不当として、奈良県香芝市の男性が損害保険ジャパン(本社・東京都)に500万円の支払いを求めた訴訟で、大阪地裁は
13日、全額の支払いを命じた。島田佳子裁判官は「レッカー車で盗むことも不自然とは言えない」と指摘した。イモビライザー
付きの車両を巡っては、保険会社側が盗難保険の支払いを拒否するケースが多く、同様の訴訟が相次いでいる。
判決によると、男性は昨年3月21日午前2時15分ごろ、自宅近くの契約駐車場にランドクルーザーを駐車。
同日午後1時50分ごろ、車がないことに気付き警察に被害届を出した。車にはキーに内臓した電子チップと車両の
IDコードが一致しないとエンジンが始動しないイモビライザーが装備され、キーはすべて手元にあった。
保険金請求に対し、損保ジャパンは「IDコードは100万から200万通りあり、駐車場でイモビライザーを解除するのは
不可能。盗難とは認められない」と支払いを拒否した。
島田裁判官は、イモビライザーを解除するには相当の時間と高度な技術が必要で、駐車場で解除されて盗まれた
可能性は極めて低いとしながらも「駐車場は広い空き地で、目立った痕跡を残さずにレッカー移動させることもできた」と
判断。その上で「キーとイモビライザーをすべて取り替えればエンジンをかけられる」と述べた。【一色昭宏】
損害保険ジャパンの話 判決内容を確認しておらず、コメントできない。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20051214k0000m040097000c.html