高橋はるみ知事は一日の道議会一般質問で、道が少子化対策として
進めている地域住民による子育て支援事業「せわずき・せわやき隊
(略称・すきやき隊)」を来年度以降、全道に展開していく方針を明らかに
した。本年度から始めたモデル事業の成果をPRし、市町村に参加を
呼び掛ける。自民党・道民会議の柿木克弘氏(美唄市)の質問。
すきやき隊は、昨年十月に制定した「北海道子どもの未来づくりのため
の少子化対策推進条例」に基づく行動計画に盛り込まれた事業。「地域
の子供は地域で守り育てる」を基本理念に、高齢者や子育てを終えた
母親らがボランティアで、子どもを一時預かったり、子育て相談や、
登下校時の「声掛け」を行うなど、さまざまな活動に取り組んでいる。
本年度は道のモデル事業として四十二市町村が行い、計一万人近い
住民が登録している。「人生経験を生かしながら、生きがいにもつながる」
と好評で、参加者は増え続けているという。
本年度のモデル事業では、道が各市町村に五十万円を補助したが、
来年度以降は道の財政難もあり補助しない方針。ただ、道や民間企業、
市町村でつくる全道規模の支援組織を結成し、機運を盛り上げる。各地
の道職員や企業にも住民の一員として、積極参加を呼び掛けていく考えだ。
核家族化が進み、かつて当たり前だった祖父母との同居や、隣近所に
世話好きな人がたくさんいた地域社会の変容により、子育てが難しく
なってきているとの共通認識が事業を後押ししている。
十勝管内幕別町のすきやき隊隊長で、主婦の中井佳代子さん(59)は
「今の若い夫婦は、本当に二人だけで不安を抱えて子育てをしている」と
指摘し「こっちは赤ちゃんを抱くだけで幸せな気分になるし、若者から
新しい情報も入るから楽しいことばかり」と、すきやき隊の事業を支持
している。
ソース(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20051202&j=0023&k=200512027617