★米大統領、新移民政策を発表…労働力確保の側面も考慮
【ワシントン=貞広貴志】ブッシュ米大統領は28日、アリゾナ州で演説し、不法移民に
関する「包括的政策」を発表した。
国境警備の強化や本国送還手続きの効率化などを進めると同時に、既に米国内に
いる不法移民には一定期間の就労機会を認めるのが柱で、治安対策と産業界の需要の
バランスをとっている。
大統領は演説で、あくまで不法入国阻止を優先する姿勢を強調。具体的には、不法移民
の85%以上が集中するメキシコ国境の警備隊を増強、無人機や赤外線カメラなど
ハイテク機器を配置する。収容施設不足により、国境で捕らえた不法入国者を米国内で
釈放することも多かったが、迅速な本国送還体制も整える。
一方、勤務条件の厳しいサービス業や製造業、農業を支える労働力として定着している
既入国者の処遇については、届け出れば最長6年間にわたり就業を許可し、その後は帰国
させる「臨時労働者計画」を改めて提案した。ただ、大統領は、保守層の反発を意識し、計画
は新たな不法移民の需要を絶つ措置と説明した。
米国内にはヒスパニック系を中心とする約1100万人の不法移民がいるとされる。
(2005年11月29日19時39分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051129i311.htm