★弁済求め監査請求 水道企業団100億円詐欺事件
つくば市の旧筑南水道企業団元次長による百億円詐欺事件で、同市の市民団体メンバーが
二十四日、当時の企業長だった藤沢順一元市長や市原健一市長に対し、損害額や訴訟費用
など総額一億一千万円余りの弁済を命じるよう求める監査請求を起こした。
元次長は企業長公印を無断で使って信金中央金庫から百億円を借り入れ、うち二億五千万円
を借金返済などに流用。詐欺と有印公文書偽造・同行使の罪が確定し、服役している。一方、
流用分の支払いをめぐり同市と信金中央金庫の間で争われていた民事訴訟では、東京高裁が
昨年十一月、双方の控訴を棄却し、市の過失を七割認めた。
監査請求では、民事訴訟の一審費用と信金中央金庫に支払った損害賠償金の二分の一を
藤沢元市長と公印保管責任者だった当時の企業団総務課長に、控訴審の費用を藤沢元市長と
水道事業管理者に、訴訟で市の代理人となった法律事務所に市が支払った報奨金九百万円余
を市原市長と水道事業管理者に、それぞれ弁済を命じるよう求めた。
損害賠償金は「発生の原因を見逃した関係者にも間接的に責任がある」として、藤沢元市長ら
に半分の支払いを求めた。控訴審は「実体的審理が皆無で無益有害」、報奨金は「損害賠償の
支払いを命じた判決に対するもので、義務はない」としている。
監査請求した市井ランダム倶楽部の栗山洋四さん(74)は「市は元次長に損害賠償金を取り
立てると言い、監査請求の期限まで待っていたが回収の見込みがない。地方分権の進展に伴い
経営責任を明確にする必要がある」と話している。 (小沢 伸介)
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/00/ibg/20051125/lcl_____ibg_____001.shtml