>>106 大峯山の女子禁制の原因は「森の神は女性だから、女性が入ってくると嫉妬する」などという理由ではない。
奈良時代に仏教が国教として大きく発展したとき、尼が急激に増加して僧が不淫戒を破る恐れが出た。
これを戒めるため、朝廷は養老僧尼令を出して仏教の山々を男子禁制の山と女子禁制の山に分けた。
大峯山の女子禁制はこのときから。
したがって、当初は男子禁制の山と女子禁制の山があったわけだ。
だが、平安時代になると女性の出家制限が始まり、律令仏教の官僧官尼体制という基本がなくなった。
それで、尼山尼寺は衰退し、男子禁制の存在が薄れた。
現在男子禁制の山がないのはそれが原因。
もっとも、戦国時代初期に男女を区別しない浄土真宗が大流行したことと、江戸時代の宗教政策がそれを
踏襲するものだったので、女子禁制の山は今では数えるほどしかない。