全国最悪のペースで多発している大阪府内の侵入盗のうち、「ピッキング」
と「サムターン回し」による被害件数が、9月末までに昨年1年間の2倍に
達したことが29日、府警の調べでわかった。
これらの手口について、府警は、主に中国人を中心とした外国人窃盗団
の犯行と判断、侵入盗横行の大きな要因とみているが、不法滞在外国人
の摘発に力を入れる東京都など首都圏では激減しており、「外国人窃盗団が、
取り締まりの厳しい東京から大阪に拠点を移した」として、警戒を強めている。
府警などによると、金属製の細長い特殊工具を鍵穴に差し込み、開錠
するピッキングは、2000年に全国で約2万9000件発生し、01年には
府内でも2477件に上った。
国は03年施行の「ピッキング防止法」で、ピッキング用工具類を正当な
理由なく所持することを禁止。大阪府も02年、条例でピッキング用工具類
の有償譲渡を禁止するなど独自策を取った結果、昨年は238件にまで
減少していた。
しかし、今年に入り、府内では、大阪市や北摂地域のマンションなどで
ピッキング被害が多発し、9月末までに478件を記録。ドアに穴を開けて
施錠を外すサムターン回しの被害も、昨年1年間より133件増の270件
に上った。
これらの被害は、京都府内をはじめ、関西一円でも増加傾向にあるという。
2つの手口は中国人窃盗団が“得意”とするもので、今年に入って9月末
までに侵入盗が全国ワースト1の1万6336件(前年同期比1842件増)と
いう「異常事態」の背景には、外国人窃盗団の暗躍があるのは確実とみている。
これに対し、東京都は9月末で、ピッキングが3分の1以下の158件に
なり、神奈川、埼玉、千葉各県でも660〜180件減少。サムターンも
350〜170件減ったほか、侵入盗全体も3000〜6000件の大幅減となった。
(中略)
府警は、首都圏での摘発から逃れた窃盗団が大阪を中心に活動を
活発化させているとして、パトロールや職務質問を強化する一方、府民
にはドアの二重カギなど自衛策を呼び掛けている。
ソース(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051029it05.htm