★震源から3千キロのマニラも8ミリ移動 スマトラ大地震
インド洋沿岸国に大津波をもたらした昨年12月のスマトラ沖大地震(マグニチュード〈M〉9.0)が、
震源から3000キロも離れたフィリピン・マニラで陸地の移動を起こしていたことが、橋本学・京都大
防災研究所教授らの全地球測位システム(GPS)データ解析でわかった。札幌市で19日から開かれる
日本地震学会で報告する。
タイのチュラロンコン大学と協力し、世界各地の研究機関がもつ20カ所以上のGPS観測点のデータ
を収集。地震発生前の10日間と発生後の10日間について平均値を比較した結果、10カ所以上で
統計的に意味のある変動を確認した。
震源からもっとも遠かったのは、約3000キロ離れたマニラの観測点で、西へ8ミリ移動していた。
このほか、約2300キロ離れたインド・バンガロールは東へ14ミリ、約1200キロ離れたタイ・バンコク
は南西へ8センチ、約600キロ離れた同国のプーケット島は、西南西へ27センチ、それぞれ動いて
いた。M8程度の地震の地殻変動は震源から数百キロの範囲といい、スマトラ沖大地震のエネルギー
の大きさを示している。
震源は、インド・オーストラリアプレートが、ユーラシアプレートの下に沈み込む境界で、地震による
断層運動で震源の周囲が引っ張られたことが広い地域の陸地移動を招いたとみている。
http://www.asahi.com/international/update/1017/010.html