【東京高裁】控訴趣意書不提出でオウム・麻原弁護団を非難

オウム真理教元代表・松本智津夫（麻原彰晃）被告（５０）の控訴審で、東京高裁
（須田賢裁判長）は２日、弁護団に控訴趣意書をただちに提出するよう、改めて強く求めた。
控訴趣意書は８月３１日が提出期限になっていたが、弁護団は（１）被告には訴訟能力がなく、
意思疎通ができない（２）訴訟能力の有無を調べるために裁判所が行う精神鑑定の方法が
不透明で疑問がある――として提出しなかった。
高裁によると、３１日に来庁した弁護人は、持参した控訴趣意書を裁判官たちの目の前に
置いただけで提出を保留。
「鑑定方法について要望を受け入れてほしい、受け入れてくれるなら提出する」と迫り、
高裁の回答に納得せず、控訴趣意書を持って出て行った、とされる。

刑事訴訟法は、趣意書が期限内に提出されない場合、控訴を棄却しなければならないと定めている。
ただし、刑事訴訟規則には、期間経過後に提出されても「やむを得ない事情に基づく」場合は、
期間内に差し出されたものとすることができるとの規定もある。

高裁は弁護人の行動を問題視しており、「極めて意図的な不提出だったことからすると、
今後、たとえ趣意書を提出しても、『やむを得ない提出遅延』とは認められない可能性が
相当強まったことを否定しづらい」と激しい調子で非難している。

[朝日新聞]2005年09月02日18時03分
http://www.asahi.com/national/update/0902/TKY200509020229.html

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