PSP仰天裏ワザ…レトロゲームがタダで遊べる
ソニーに打撃
発売前から注目の的だったソニーの携帯ゲーム機「PSP(プレイステーション・ポータブル)」。発売半年で、
無料の映像・音楽のプレーヤーになったり、約3000種のファミコンソフトを遊べる裏ワザが次々と発見されている。
ところが、タダで遊べる裏ワザが使えるのは“旧型機種”だけ。そのせいで、売れるのは中古のみで、新品はさっぱりと
いうピンチにさらされている。業績不振のソニーに、さらなる足かせとなりかねない裏ワザ事情を分析した。
昨年末に発売されたPSP(本体価格2万790円)。同時期に任天堂からもニンテンドーDS(同1万5000円)が
発売され、携帯ゲーム機市場で両社は激しくしのぎを削っている。
DSは、ダブルスクリーンやタッチパネルといった新機能を搭載し、ソフトにポケモンやマリオといった既存人気キャラ
を投入。あくまでゲームに特化している。
これに対し、PSPは外部記憶メディアに対応し、パソコンとの互換性を高めて、音楽や映像プレーヤーとしての機能も
付加した。だが、「独自の光ディスク規格『UMD』対応の映像ソフトが少ない。パソコンからの映像や音楽もソニー製
ソフトを買わないと転送できないので、付加機能はイマイチ」(ゲームライター)なのだ。
さらにPSPは発売当初の品薄が響き、先月末までの国内での累計販売数はPSPが約158万台に対し、DSが254万台
(いずれもファミ通調べ)と、DSにリードを許している。
>>2に続く
そんな中、春先ごろからDSを追撃するPSPの足を引っ張るような裏ツールが開発された。
PSPの中でも約20年前に発売され大ヒットした、任天堂のファミコンソフトを動かせる「エミュレータ」と呼ばれる
不正プログラムを、何者かが製作し、ネット上で無料配布し始めたのだ。
前出のライターは「遊べるファミコンソフトは約3000本。ファミコン時代のレトロゲームはPSPの購買層にあたる
20−30代前半に人気がある。PSPの純正ソフトの売り上げに影響が出るのでは」と推測する。
さらに現在は“開発”が進み、ゲームボーイやスーパーファミコン、セガのレトロゲームなど、多種多様のゲームソフトが
簡単に無料でプレーできる状況となっている。
この裏ワザ人気でPSP本体が売れそうにみえるが実は正反対。「新品の売り上げには一切、貢献しない」と解説するのは、
東京・秋葉原のゲーム店店員。
「3月下旬、ソニーはPSPの型を新しくした。新しい型だと、エミュレータは動かない。発売初期のPSPは『初期不良
が多い』と不評だったが、今では『ファミコンができる』と品薄で、中古品でも新品と同じ、もしくはそれ以上の値がつく」
と、売れるのは初期の中古品ばかりだというから驚きだ。
このほか、パソコンで音楽CDや映画、アニメのDVDをコピーし、PSPに移し替えてポータブルプレーヤーにする裏ワザ
も明らかになっている。
裏技ブームに便乗して書店のゲーム関連本コーナーでは、素人でも分かるよう図解されたPSPの裏ワザ解説本が多数並ぶ始末。
「裏ワザのもとになるプログラムはパソコンで作られ、ネットで広まる。ソニーはパソコンと互換性を持たせたことが裏目に
出た」とはITに詳しいライター。
この事態にPSPの発売元、ソニー・コンピュータエンタテインメントは「システムのソフトを更新してセキュリティーを
強化している」とし、「私たちの出すソフトがコピーされるのであれば問題だが、出荷台数も順調に伸びており、現状に問題
はない」(広報部)と動じていない様子だが、さりげなくバージョンアップを呼びかけるテレビCMを流している。
http://www.zakzak.co.jp/top/2005_08/t2005082521.html