共産党や政府幹部の収賄、横領などの腐敗が深刻な中国で、
「腐敗を防ぐには子どものときからの教育が大切」と、来学期から
大都市の小、中、高、大学で「反腐敗教育」が始まることになった。
中国教育省の発表などによると、9月の新学期から北京、上海、
天津など大都市の学校で、腐敗と戦う意識を養う教育が始まる。
「うそをつかない、ずるをしない、無理に張り合わない、人のお金を
猫ばばしない」を主なテーマに、規則の順守や公共物を大切にすること、
誘惑に負けないことなどを教える。
教育専門家の中には、中国の小学校でよく見られる「悪習」として、
クラス委員になるために担任の教師や同級生に贈り物をすることも
「腐敗の芽生え」だとの指摘がある。
国内メディアでは、小学生からの反腐敗教育に反対する意見も
多く出ている。国営新華社通信系の時事雑誌「瞭望東方週刊」は、
「子どもの教育よりも、まず教育関係公務員の腐敗をなくすことが先決」
とする作家の意見を紹介。人民日報のネット掲示板では「本末転倒の
反腐敗教育は、教育資源の無駄遣いで、これこそ一種の腐敗だ」
と批判する書き込みも見られる。
党中央規律検査委員会の報告によると、昨年11月までの1年間に
「腐敗」を指摘されて党や政府から処分を受けた党員や公務員は
16万4831人にのぼるという。
http://www.asahi.com/international/update/0820/011.html