信大病院(松本市)は28日、県内の60代の男性入院患者がB型肝炎ウイルス
に院内感染し、6月に死亡したと発表した。同病院で患者が何らかのウイルスに
院内感染したのは初めてといい、病院側は原因について「調査したが特定できな
かった。B型肝炎ウイルスは血液を介して感染するため、何らかの医療行為で、
別の患者の血液が体内に入ったのではないか」としている。
病院側は、死亡した男性の遺族に既に謝罪し、補償交渉をしている。ほかの患者
や医師などへの感染は現時点で確認されていない。信大病院で記者会見した勝山
努院長らによると、この男性患者は今年1月、消化器系のがんで同病院に入院し、
がん摘出手術を受けた。2月に退院、4月に食欲不振を訴えて再検査したところ、
B型肝炎にかかっていることが分かり再入院。劇症肝炎で死亡した。
患者は、最初の入院当初の検査でB型肝炎に感染していなかったため、病院は
院内感染を疑い調査。1月以降に入院しておりB型肝炎を患っていた5人に、
本人の同意を得てウイルスを検査したところ、1人の男性のウイルスの遺伝子が、
死亡した男性のものと極めて似ていた。
この2人は部屋は別だったが、同じ病棟の同じ階に入院。重なった期間が2―3
週間あった。採血、点滴などの医療行為はそれぞれの病室で受けた。同病院は、
2人にかかわった計24人の医師と看護師から聞き取りをしたが、感染につなが
るような医療行為は確認できなかったという。同病院には、採血に使った針を必ず
専用容器に入れて捨てるといった感染防止マニュアルがある。徹底を図り、見直し
を検討する。
ソースは
http://www.shinmai.co.jp/news/20050629/mm050629sha5022.htm