県立こども医療センター(横浜市南区)で、生後間もない横浜市旭区の男児が
足を切断するなどの処置を受けたのは医師の投薬ミスが原因として、男児の
家族らが県を相手に一億六千九百万円の損害賠償を求めていた訴訟は、県が
七千万円を支払うことで横浜地裁で和解が成立する見通しとなった。
訴えなどによると、男児は二〇〇一年五月、同センターで体重六七〇グラム
の未熟児として出生。医師が未熟児治療用のカリウムを誤って通常の十倍投与
するよう指示したため不整脈を発症した。その後、体内のカリウム数値を
下げるため、カルシウムなどの薬剤を点滴投与したが、液が漏れて血管に詰まり、
右足を切断するなどした。
県は二十日開会の県議会定例会に、和解金額の議決を求める議案を提出する。
県病院事業庁は「投与ミスはあったが、治療に最善を尽くした。ただ結果的に
治療の義務を果たせなかったため、和解勧告に応じることとした」としている。
また県は、県立厚木病院(現在は厚木市に移管)で〇一年十月、内視鏡検査の
ミスで大腸内に穴があき、治療中だった同市内の男性(54)に対し、損害賠償金
として七百三十万円を支払うことを決めた。同定例会に議案を提出する。
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20050617/lcl_____kgw_____001.shtml