★衆院区割り:境界と「区割り」乖離 各党、見直しには慎重
複数の衆院小選挙区にまたがる市町が来年3月末までに新たに60出現することは、
合併によって市町村の境界と「選挙区割り」のかい離が進んでいる実態を浮き彫りにした。
与野党は02年7月、今の区割りを定める公職選挙法改正案を衆院委員会で可決した際、
合併で選挙区に著しい不均衡が生じた場合、区割り見直しの考慮を衆院選挙区画定審議会に
求める付帯決議を採択している。しかし、与野党とも議員の選挙区事情から見直しには
慎重で、次期衆院選で見直しが実現する可能性は乏しい。
茨城1区では水戸市など4市村がそれぞれ、来年3月までに小選挙区の区割りを超えて
隣接自治体と合併する。1区選出の赤城徳彦氏(自民)の事務所は「支持者から問い合わせが
あるが、選挙区は従来と変わらないと答えている」と言う。
兵庫県では06年3月、12区の夢前町など4町が11区の姫路市に編入合併される。
12区選出の河本三郎氏(自民)の事務所は「議員がこうした町での集会で選挙区は
変わらないと訴えているが、後援会幹部でさえ『11区に変わる』と誤解している。
政府がきちんと広報していないからだ」と不満を漏らした。
02年の区割り見直し時の付帯決議について、政府関係者は「決議は区割り見直しに
反対の議員を納得させるためのもので、当時はだれも合併がこれだけ進むとは考えていなかった」
と打ち明ける。現在、自民党は「区割りを見直すと、数十人の議員が影響を受ける」と消極的。
民主党も「見直しの検討は総務省の動きなどを見守ってから」(幹部)との空気が大勢だ。
毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20050604k0000m010153000c.html