【ネット】外務省HPに、サイバー攻撃…17日朝から

このエントリーをはてなブックマークに追加
923小さな岩より友好を大事に 重村智計
竹島をめぐり、日本と韓国の関係がギクシャクしている。このままでは、日韓関係がさらに緊張しかねない。竹島は、日本のものか韓国のものか。
双方の主張や論文などを数多く読んだが、正直言って日本の方がやや分が悪そうだ。
明治維新から島根県告示の1905年までの時期に、何もしていないからだ。
島根県議会は、16日に「竹島の日」の条例を制定した。島根県が制定したところで、全国的な記念日になるわけではない。
日本が実行支配するわけでもない。ところが、韓国では異常な関心の高まりで、反日感情が高まった。
なぜ、これほどまでに韓国は「過剰反応」するのか。今年は、日本にとっては日露戦争勝利「100周年」である。
ところが、韓国にとっては「日本の保護国にされた100周年記念日」「恥辱の年」である。
この「国を失った100周年記念の年」が、感情を高ぶらせる原因になっている。多くの韓国民は、日本人はまた韓国を支配しに来る、と本気で考えている。
歴史の教訓と経験が、そうした思いを強めるのである。韓国民は日本人が、過去に5回から6回も、朝鮮半島を侵略したと考えている。
たとえば、日本の朝鮮半島への出兵は百済が滅びた時の「白村江」の戦いを皮切りに、豊臣秀吉が2回、さらに日清戦争で出兵し、
日韓併合で軍隊が派遣された。このほかにも海賊の「倭寇」に攻め込まれた。日本では「侵略」を「出兵」と言葉を変えたりしているが、
他国の領土に攻め込んだり支配目的で軍隊を出すのは、国際政治上は侵略である。
この歴史の経験から、韓国民の大多数は「日本は、また攻めてくる」と考えている。日本の平和憲法については、誰も知らない。
だから、「竹島の日」の制定を「日本の再侵略の意図」と考えるのである。韓国の竹島実行支配は、一般人が仲間をつのり
竹島に移り住んだことから始まる。「このままでは、日本に取られる」と考えたという。ところが、島根県にはここまで愛国心のある日本人はいなかった。
その後、韓国政府が警備部隊を置くようになった。日韓両政府はこれまで「後の歴史が解決する」と考え、
双方共に「領土」として主張し、記録を残すことで処理してきた。
人の住めない小さな岩のために、日韓の協力と友好関係を損うべきではない。知恵を出し合うべきだ。 (早稲田大学国際教養学部教授・重村智計)