米捜査当局は11日までに、ニューヨーク市警の刑事として働きながら、組織犯罪
集団マフィアに極秘の警察情報を流し、ライバル組織幹部らの拉致、殺害にも関与して
いた男2人を逮捕、殺人8件、殺人未遂2件などの罪で訴追した。2人は、56歳と
63歳で、刑事を1990年代初期に退職、ラスベガスで余生を送っていた。
AP通信によると、63歳の被告は、ニューヨーク市警の組織犯罪・殺人担当部門の
創設に携わり、別の元刑事は「マフィア刑事」とも題する自叙伝を著していた。2人は
ラスベガスで、通りを隔てた至近の場所でそれぞれ暮らしていた。
2人とマフィアとの関係は10年以上に及び、治安当局は疑惑を持ちながらも、証拠を
つかめず、逮捕など出来なかった。今回の訴追については、会話の盗聴や証人の確保
などが決め手になったらしい。 訴追文書などによると、2人は1987年、親しかった
マフィアの敵対組織の構成員を拉致して引き渡し、拷問、殺害を手助けした。92年には、
組織から6万5000ドルの金額を受け取り、ライバル組織の幹部を殺害している。
また、警察と通じていたマフィアの情報提供者の名前を流し、殺害をほう助した、という。
56歳の元刑事の家系にはマフィア構成員が多く、在職時代、手荒な方法での容疑者
逮捕などで名が知られていたという。2人の弁護士は、今回の逮捕、訴追について、
信用出来ない組織暴力団員の証言に頼っている、と批判している。
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200503110018.html