37 名前:あるケミストさん投稿日:2001/02/19(月) 15:17
>>33 等核二原子分子はたとえアイソトープでも赤外禁制ですよ
ですから酸素分子や窒素分子は赤外吸収能がありません
二酸化炭素はD∞h点群ですが、D∞hで赤外で許容なのはν2とν3です。
このうちν2がオゾンの半分程度ν3がオゾンの10倍もの大きな吸収強度があります。
これだけ吸収強度が強いともちろん温暖化に対する寄与もあるはずですが、
あまりにも吸収強度が強い為に、現在の濃度340ppm(0.034%)だけで
地表からの再輻射に対してでさえ赤外吸収は既に飽和しています。
つまり透過率は既にゼロで濃度が増えようがもう変化ありません。
多少あるとしてもν2の周辺の回転線ぐらいしかありません。
ですから二酸化炭素の濃度が倍になれば二酸化炭素の吸収も倍になり
温室効果も倍になるかというと全然ならないのです。
ですから温室効果を考える上で重要なのは、
現在の窓領域(二酸化炭素やオゾンや水蒸気の吸収にかからない領域)の
赤外吸収を持ちなおかつ、まだ濃度が十分に薄くて、
これから増加する可能性のあるもの、すなわち
代替フロンやハロン類という事になります。
38 名前:あるケミストさん投稿日:2001/02/19(月) 16:15
>あまりにも吸収強度が強い為に、現在の濃度340ppm(0.034%)だけで
>地表からの再輻射に対してでさえ赤外吸収は既に飽和しています。
その根拠には正当性があるのかね。
ラマン散乱を考慮にいれてるのかな?
>二酸化炭素やオゾンや水蒸気の吸収にかからない領域の赤外吸収を持ち
これみてみ。
http://www.ise.chuo-u.ac.jp/TISE/kyouyou/6kakemo1993020/index.html 39 名前:あるケミストさん投稿日:2001/02/19(月) 16:40
>38
「ラマン散乱を考慮にいれてるのかな?」
ラマン活性が温暖化に寄与するか?
それともネタ?
40 名前:あるケミストさん投稿日:2001/02/19(月) 16:55
>>38 ラマンはともかく(温暖化とは関係無いし)
その資料は古すぎますよ
http://global.horiba.com/analy/it/subete5.htm この図2でも見て下さい。
15μmが二酸化炭素のν2、4.3μmが二酸化炭素のν3です。
どちらも飽和してます。
他のは線強度が極端に低いです(禁制のν1とカップリングしてるから)
どれくらい小さいかと言うと10μmのν1からν3への遷移は
一番強いν3の遷移に対して2400分の1の吸収強度しか持ちません。
(つまり二酸化炭素が増えてもこの部分は温暖化に対する寄与が無い)
これに対してメタンの一番強い吸収のν3は9.6μmにあり、
ちょうど大気の窓領域に当たります。
ここは全然飽和してないのでメタンが増加すればする程、
ダイレクトに温暖化に効く事になります。