★李登輝・台湾前総統に聞く 訪日は成功 “静かなメッセージ”が信頼関係強める
・家族とともに訪日した台湾前総統の李登輝氏(81)は、台北市内で産経
新聞と会見し、「日台関係が静かで強いきずなを築ければ、今回の訪問は
成功だ」と述べ、目立った「政治活動」がなくとも訪問実績という“静かな
メッセージ”が日台の信頼関係を強めた、との評価を示した。また、李氏は
日本の歩んだ戦後60年を改めて評価するとともに、今後は「中国や北朝鮮
への態度をはっきりさせることが必要」として、圧力や横やりに屈しない強い
自主外交を日本に促した。
−−訪日の印象は
「日本の人々は国内にいると変化がはっきりしないだろうが、(病気治療などの
訪日を除き)戦後六十年ぶりに深く日本を見て感じたのは、進歩の中に伝統が
失われておらず、それがアウフヘーベン(止揚=矛盾する点の統合的発展)
されていることだ。かつての道徳体系が回復している」
「敗戦が日本人に対し反省と低姿勢の機会を与えた結果、日本人は六十年間、
低姿勢でずっとがまんしてやってきた。だがこれが日本に世界第二位の経済力を
築かせた成功の理由だ。社会秩序が非常にいい。今回、初めて新幹線に乗ったが、
その機能や技術は日本人の仕事を代表している」
−−日本政府は今回の李氏への入国査証(ビザ)発給で、意志を強く示せば
中国の圧力に対抗し得ることを経験した
「その通りだ。中国は李登輝訪日にあれだけのことをやったが全然効果が
上がらない。逆に(中国の反発は)国際的な笑いものになるだけだ。(外交
関係のない)日台は大声上げてやる必要はない。耐え忍んで、できるだけ声を
小さくする。静かで強い(水面下で実質的な)関係を作り上げられたら訪日は成功だ」
(一部略)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/13int003.htm