肝障害問題の胎盤エキス、献血時には使用の有無調査
美容目的で人の胎盤エキスの注射(プラセンタ注射)をする人が増え、都内の女性が肝障害を起こすといった
問題が起きているが、献血者が使用している場合、その血液中に感染症を起こす病原体が含まれている恐れが
あるとして、日本赤十字社は献血者の実態調査に乗り出すことを決めた。
日赤では、胎盤エキスの使用者の割合が多ければ、感染予防の徹底のため、献血を断るなどの措置も必要と
みている。
実態調査は今月末から1か月間、東京や大阪、愛知などの主要都市を中心に、全国約10か所の献血ルームや
献血車で始める。調査では、医師が、献血に訪れた人に、承認済みの胎盤エキスの製品写真や、効能を記した
パンフレットを示し、使用歴の有無を問診する。対象者は2万人に上る見込みだ。
献血時には通常、輸血後感染症などの健康被害を防ぐため、ウイルス性肝炎やエイズなど感染症の既往歴の
ほか、BSE(牛海綿状脳症)が人間に感染したとされる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病対策として欧州
など海外渡航歴なども問診で確認。不適格とされた場合は献血を断っている。
だが、問診で渡航歴が間違いなくすべて把握できるわけでもない。胎盤エキスの使用の有無について尋ねる項目
もなく、「自己申告に頼るところが多い」(日赤)という。承認済み胎盤エキスは、一般的な病原体の処理はして
いるが、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の病原体である「異常プリオン」は、今の技術では処理しきれず、
残存している可能性がある。
(2005/1/8/14:34 読売新聞 )
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050108i506.htm 読売新聞
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