★犯罪の陰に薬物あり 刑法犯ら1000人、売買・所持
・今年1〜8月に摘発された殺人、強盗などの刑法犯と銃刀法違反などの
特別法犯のうち、覚せい剤などの薬物犯罪にも関与していたとされる被疑者は
千人を超えることが、警察庁のまとめでわかった。昨年までの犯罪統計では、
複数の罪を犯しても、統計処理上は法定刑が重い方の罪に分類されていた
ため、把握できなかった。同庁は、薬物汚染が犯罪凶悪化などの一因に
なっているとみている。
警察庁によると、今年の8月末までの刑法犯の総数は約24万7千人、
銃刀法や入国管理法などに違反した特別法犯は約4万8千人。このうち
覚せい剤や大麻の売買、不法所持などにも関与していた被疑者が刑法犯で
995人、特別法犯で57人いた。
その内訳は、刑法犯の場合、窃盗犯の636人が最多。暴行、傷害などの
「粗暴犯」で123人、殺人や強盗、強姦などの「凶悪犯」で84人、詐欺や
文書偽造など「知能犯」で77人だった。特別法犯では銃刀法違反で24人、
青少年保護育成条例違反が5人、児童福祉法と児童買春・児童ポルノ禁止法が
各4人だった。
犯罪統計の集計方法について、警察庁は訓令で「1人ごとに犯した罪で
『被疑者情報票』を1枚作成。数罪を犯している時は法定刑が最も重い罪で
作成する」と定めていた。殺人犯が覚せい剤を使用していても、統計上は
「殺人」に記録されていた。
同庁は昨年10月、訓令を改正。覚せい剤取締法、大麻取締法違反など薬物
関連の5罪についても、事件処理した場合には、警察官に「被疑者補助票」を
作らせて統計に反映させ、正確な実態をつかめるようにした。
警察庁薬物銃器対策課は「薬物乱用者と、ほかの犯罪との関連性がわかれば、
的確な対策を講じられ、犯罪捜査もより効果的に進められる」としている。
http://www.asahi.com/national/update/1009/014.html