大阪府茨木市で2日早朝、吉山建夫・タクシー運転手(62)が首をつられた遺体で
見つかった事件で、前日に起きた京都市の強盗放火事件で逮捕された元同僚の
前田博之容疑者(52)が、岡山市のホテルに2日未明から宿泊していたことが
大阪府警の調べでわかった。アリバイの成立で府警は、前田容疑者が吉山運転手を
殺害した事実はないと断定。吉山運転手が多額の負債を抱えていたことなどから、
自殺の可能性も含め他殺との両面で捜査を進める。
前田容疑者は府警などの調べに対し、吉山運転手殺害について「京都の事件は
一緒にやったが、殺していない」「事件当時は岡山にいた」と否認していた。
府警によると、前田容疑者は2日午前0時10分ごろ、岡山市内のサウナ付きカプセル
ホテルに入店し、午前9時40分ごろに店を出た。この間、前田容疑者が店を出た
形跡はないことが店の防犯ビデオで確認できたという。前田容疑者は「吉山運転手に
ホテル前までタクシーで送ってもらった」と話しているという。
吉山運転手の遺体は、運動場の門扉に自分のネクタイで首をつられた状態で見つ
かった。死亡推定時刻は午前5時半ごろで、遺体近くに止めてあったタクシー車内から
前田容疑者の指紋が採取された。前田容疑者が吉山運転手から借金を重ね、返済の
督促を再三受けていたことから、府警は前田容疑者が殺害に関与した疑いもあると
みて調べを進めていた。
その後の調べで、前田容疑者が逮捕前、知人への電話で、吉山運転手が保険金の
支払いを受けるため他殺に見せかけて自殺したことをほのめかしていたことも判明。
殺害の実行犯が捜査線上に浮上していないこともあり、府警は前田容疑者から今後、
京都の事件後の吉山運転手との行動について任意で事情を聴く。
(09/22 20:45)
http://www.asahi.com/national/update/0922/024.html