米国の経済誌フォーブスのロシア版編集長で、米人ジャーナリストのポール・クレブニコフ氏(41)がモスクワで殺害され、
米国で16日に葬儀があった。クレブニコフ氏は4月に同誌ロシア版を創刊したばかりで、ロシアの富豪の資産を独自調査して公表するなどし、
財界の一部とトラブルがあったという。殺害には新興財閥と結びつく「ロシア・マフィア」の関与も指摘されている。
9日夜、クレブニコフ氏が編集部のある建物から出てきたところ、乗用車からショットガンが乱射された。うち10発が命中して即死した。
現場近くで犯行車両が見つかったが、3人組の犯人は逃走した。モスクワ市警によると、犯行の手口などから「プロの殺し屋が待ち伏せた」という。
フォーブスのロシア版は、4月の創刊号から「ロシアの富豪100人」を取り上げ、不透明な資産状況を明らかにしてきた。
だが、昨年10月に脱税容疑で逮捕された石油大手ユコスのホドルコフスキー前社長が同誌の資産ランキングで首位となり、
財界は当局が他の上位資産家の摘発も狙ってくるのではないかと警戒を強めていた。同誌には「資産が過大評価された」という抗議が一部財界人から寄せられていた。
クレブニコフ氏は、1917年のロシア革命で米国に亡命したロシア貴族の家系の生まれ。89年にフォーブスの記者になり、
90年代にはロシア新興財閥の暗部をえぐった記事で知られた。ロシア版の創刊後に脅迫を受けたことを明らかにし、
「闇の中に隠れていたい人がいるが、光を当てなければならない」と語っていた。
ロシアでは00年からこれまで14人のジャーナリストが殺されたが、犯人はいずれも検挙されていない。
朝日新聞:
http://www.asahi.com/international/update/0718/003.html 依頼
http://news13.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1089623678/563