阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた神戸市長田区・御菅西地区を拠点に活動する
まちづくり支援グループ「まち・コミュニケーション」(宮定章代表)のメンバーらが、約九十年前に建てられた
福井県大飯町の古い民家を台湾大地震(一九九九年)の被災地に移築する計画を進めている。
二十日から始まる解体作業には、台湾から若手建築士や大工ら五人も加わる予定。
メンバーは「移築が実現すれば、被災地同士の交流が形になる」と話す。(石崎勝伸)
同グループは二〇〇二年、城崎郡香住町の古い民家を御菅西地区の住民らとともに解体。
同地区に移築し、今年一月に住民の集会所としてオープンさせた。
これを知った大飯町の古民家の所有者から提供の申し出があり、移築先を探していた。
一方、住民やグループのメンバーは台湾大地震の翌年に被災地を訪れ、歌や折り紙を贈るなどして激励。
その後も、住民同士のネットワークづくりや建物の耐震性強化を助言し、被災地出身の留学生を受け入れるなど交流を続けてきた。
今年六月には台湾中部の被災地、彰化県の翁金珠県長(県知事)らが来日し、御菅西地区の集会所などを視察。
木のぬくもりや古民家の再生作業が、地域のつながりを深めていることを聞き、大飯町の古民家の受け入れを検討し始めた。
大飯町の古民家は一九一五年に建設され、現在は空き家になっている。柱の接合部にくぎを使わず、土間や土壁のある伝統的な木造家屋。
大学生らの応援も得て八月中旬までに解体、部材を保存し、移築先など実現に向けた具体策を台湾側と詰める。
費用の工面などの課題もあるが、メンバーの建築士、藤川幸宏さん(32)=垂水区=は「台湾の人たちに解体作業に参加してもらうことで、
民家を建てた日本の大工や住民の思いが伝われば。被災地同士の交流の拠点として、移築をぜひ実現させたい」としている。
神戸新聞
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