【社会】"泣き出す生徒も" 高校入試「作文を書け」、受験生の半数が"0点"★2

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532名無しさん@4周年
じいさんに何度も説明するがさっぱり要領をえない。ボケているのか、Aの道を教えてもBの方へ、Bを教えると今度はAに行こうとしたりする。
老人だから顔色を伺っても、急いでいるのかそうでないのか、体調が良いのか悪いのかも判断できない。
ほとほと困っていたところ、前方から友人の田中が歩いてくるのが見えた。
「なに?このじーさん」
「道聞かれてんだけどさあ、全然ボケてんの。ありえねー」
「まじウケるー。てかお前今日デート言ってたじゃん?」
「そーそー。やっべ、もう時間ねーよ」
そうだ、今日は祐巳とデートの約束をしてたんだ。
「俺が連れってってやるよ、どーせもう帰るし。どこよ?公民館?」
田中はそう言うとじいさんの背中を押してAの道に歩き出した。が、何歩も歩かないうち、二人は道を引き返してきた。
急な山道はじいさんの足には無理だったようだ。田中はじいさんを背負ってBの道を歩き出した。
俺はデートに遅れるのを気にしながらも、しばらく田中とじいさんを見送っていた。それが俺が田中を見た最後だった。
祐巳との待ち合わせに遅れ、こっぴどくフラれた俺が家に帰ると、待っていたのは警察だった。
田中は死体で発見された、あの公民館へ道、Aの道だ。じいさんの消息も不明だ。最後に二人に会った俺は、重要参考人ということだ。
でも俺は、田中がじいさんを連れてAの道から引き返してくるのを見たんだ。二人は確かにBの道へ行った。
死亡推定時刻は俺が田中達と別れた直後。そんな短時間に、どうやってAまで引き返したんだ?
これが証明できないと、俺は犯人にされてしまう。デートに遅れたことでアリバイも成立せず、
状況証拠では俺は不利だ。警察も俺を疑っている。事件の鍵はあのじいさんだ。全ての信実はあのじいさんが知っている。
早くじいさんを見つけて、俺の無実を証明しなければ…