なぜか記者ってこういうニュースはスルーなんだよな(w
●喫煙しないのになぜ?
臨床検査技師の安里昌家さん(99年、57歳で死去)に、肺がんが見つかったのは、
98年3月だった。当時は国立療養所沖縄病院に単身赴任していた。前年秋、せきが
多くなり、妻明子さん(53)は「風邪かな」と思っていた。
福岡県久留米市の自宅にいた明子さんは、病院から「検査入院が必要」と電話を
受け、軽い気持ちで沖縄に飛んだ。
夫婦で診察室に入った。昌家さんは、自分の肺のエックス線写真を前に、同僚の
若い医師らと、まるで他の患者を診断するように議論を始めた。
「巻き込み型の腫瘍(しゅよう)だね。たちが悪い」「技師長、考えすぎですよ。
開けてみないとわかりません」
専門用語の飛び交う会話を、明子さんはぼう然と聞いた。「がんかもしれない」
「でも、なぜ主人が?」
◇左肺を摘出◇
ふだん物静かで厳しい昌家さんは、休日には明子さんや2人の息子と、よく山登
りやマラソンをした。
たばこは吸わなかった。「喫煙者の解剖した肺を見れば、たばこを吸う気もなく
なるだろう」。がんの細胞検査に長年携わり、家族にもそう話していた。
手術中の病理検査で、がんとわかり、左肺が摘出された。
5月に職場復帰し、9月の検査では、再発はなかった。昌家さんは検査室で、ホ
ルマリン漬けの自分の肺を妻に見せ、「ここが、がんなんだよ」と説明した。
だが、手術の翌日から、せきが出始め、次第にひどくなった。
(2003年2月5日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/renai/20030205sr11.htm