★地下深くの鉱物構造を解明 東工大 「地球内部の全容判明」
地球の地下深く、マントルと核の境界部分の鉱物が、下部マントルとは異なる
別の結晶構造になっていることを、東京工業大の広瀬敬・助教授らが高温・高圧
環境を再現する実験で突き止め、9日付の米科学誌サイエンスに発表した。
境界部は深さ約2700キロから約2900キロまでの、核を取り巻く厚さ
約200キロの層。どんな結晶構造なのか長年謎になっていた。広瀬助教授は
「これで地球内部の全容が解明されたことになる」としている。
同助教授らは、地球内部の主要成分であるケイ酸マグネシウムを、高圧に耐える
ダイヤモンドで挟んで高圧をかけ、境界付近と同じ約125万気圧を再現。レーザーを
当てて2000度以上の高温状態にした上で、大型放射光施設スプリング8(兵庫県
三日月町)でエックス線を照射して構造を分析した。
ケイ酸マグネシウムは、下部マントルのもっと浅い場所では結晶構造が立方体に
近い「ペロブスカイト」という鉱物になるが、分析の結果、今回合成された鉱物は、
平べったく、細長い形をしていることが分かった。
京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/news/flash/2004apr/09/CN2004040801005339C2Z10.html ・大型放射光施設(SPring-8)
http://www.spring8.or.jp/