【社会】"路上にハイヒール、財布…" 静岡・磐田市長の長女、行方不明★3
はきなれないヒールを履き、私は久しぶりに友人と会うために家を出た。
やばっ、つまづいた!…しかし私は市長の娘!こんなところでブザマに転ぶわけにはいかない!
くるしまぎれに片足を出し、地面を踏みしめたと同時にもう一方のヒールが脱げた。
みっともないと思いながら、お嬢様の意地で崩れた体制を立て直そうと踏ん張った。しかし、
つまづいた時に足首を痛めたのか、一瞬の痛みに力が抜けてさらにバランスを崩す。同時に、持っていた
かばんから財布が飛び出してしまった。咄嗟につかもうとするも、私は身長が低い。つまり手が短い。
リーチが足りず、届いたのはわずかに財布から出ていた紙幣のみ。
まずい、財布が落ちちゃった!一刻も早く体を立て直さないと…私はさらに一歩踏みしめる。しかし私は
すっかり忘れていた。片方のヒールは脱げてしまっていたのだ。
よろよろとおぼつかない足取りだったところへヒールを履いているつもりで力一杯踏み出してしまったため、
うきあがった体は前方へ大きく投げ出される。私は足を踏み出すタイミングを早めた。体制を戻そうとするたび
に、足は加速を増していく…転ばないよう、一歩、また一歩…今、私は太平洋上を全速力で駆け抜けている。