>>275 国会質疑されたジャニーズ問題 自民党議員が質問
2000.04.28 週刊朝日 158頁 写図有 (全797字)
ふだんだと国会の委員会は退屈だが、この日は違った。四月十三日、衆議院の青少年問題に対する特別委員会で、自民党の阪上善秀議員(比例区近畿ブロック)が、
「ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長が若い男性タレントに性的虐待をしている」
と問いただしたのだ。
SMAPなど有名男性タレントを抱え、“ジャニーズ帝国”ともいわれる実権を一手に握る社長のジャニー喜多川氏は、マスコミにほとんど登場しないナゾめいた人物といわれている。
阪上議員は児童虐待の例として、「元ジャニーズ事務所にいた少年の母親の手紙」を読み上げた。
「先輩のジュニアから『もしジャニーさんから、ユー、今夜はホテルに泊まりなさいって言われたときは、たぶんホモされるけど、それを断ったら、次から呼ばれなくなるからガマンしろ』と教えられた」
そこで阪上議員は、
「ジャニー氏は親代わりで児童を預かっているのに性的な行為を強要するのは児童虐待にあたる」
として、厚生省、警察庁などに見解を求めた。
厚生省の児童家庭局長は、
「ジャニー氏は保護者ではなく、児童虐待の定義にあたらない」
と否定的な意見だった。
児童虐待は、「親または、親に代わる保護者などによって行われる虐待行為」とされており、ジャニー氏は雇用者で、保護者ではないという。
さらに
「では、買春ではないか」
という阪上議員の質問には、警察庁生活安全局長は、
「個別具体的なことで答弁を差し控える」
と盛り上がりに欠ける質疑だった。
委員会終了後、阪上議員は記者会見を開いたが、翌日、報道したメディアはほとんどなかった。
「というのは、質問の内容は十週間にわたってジャニー氏の報道をしていた『週刊文春』とほぼ同じ。目新しい事実はなかったため」(関係者)
現在、ジャニーズ事務所は「週刊文春」を名誉棄損で訴えており、今後は国会よりも法廷が注目されそうだ。